当ブックラボのある札幌市北区北18条付近は『幌北地区』と呼ばれております。

去る6月1日、民生委員の小玉さんが呼びかけてくださり
幌北地区民生委員の皆様と幌北児童会館の皆様、
そして幌北の放課後等デイサービス「どろんこクラブ」の皆様へ
ブックラボから本の寄付をさせていただきました。
今後の展開や、この近隣の様々なことについても
お話を伺う機会に恵まれ、とてもためになったひとときでした。

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幌北地区にある放課後等デイサービス
「どろんこクラブ」から金城さん館山さんが来てくださったのですが
他の皆様が言うには、この金城さんは
15年前「最初の誰でも入れる放課後クラブを作った方」とのこと。

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放課後クラブ、今で言う『放課後等デイサービス』の前身です。

●『放課後等デイサービス』とは

主に6歳から18歳の障害のある児童を対象として、
放課後や夏休み等長期休業日に生活能力向上のための
訓練および社会との交流促進等を継続的に提供する。

1か月の利用日数は施設と保護者が相談した上で
自治体が決定する。利用に際して療育手帳や
身体障害者手帳は必須ではないため、
学習障害等の児童も利用しやすい利点がある。

かつて障害児施設(通所・入所とも)は
障害の種類等によって受けられるサービスが分かれていたが、
2012年4月1日に児童福祉法の一部が改正されて一元化された。

(緑文字はwikipedia “放課後等デイサービス”の頁より抜粋。改行は当方による)

引用の通り、放課後等デイサービスという制度は2012年に制定されたものですが、
それよりはるか以前に「誰でも利用できる」児童支援施設を始めた金城さん。
15年前とは大分昔に思えますが、それでも2001年です。
昭和をとうに過ぎ、21世紀を迎えていたはずの札幌に
「誰でも利用出来る」児童支援施設という存在が無かったことも驚きでしたが
目の前に、それを初めて作った方がいるということも驚きでした。

ミーティングののち、私は「どろんこクラブ」へ同行させてもらい、
ご多忙の中、貴重なお話を伺うことが出来たので、3回に分けてアップいたします。

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1・「どろんこクラブ」の成り立ち

まず、「どろんこクラブ」とは
正式名称を「NPO法人子どもサポートどろんこクラブ」と言い、
幌北地区に5ヵ所点在しております(これについては後述します)。

5ヵ所のうち、金城さんがいる「どろんこクラブ」が本部であり、
全てはここから始まったのだそうです。

この「どろんこクラブ」では具体的にどのような活動をしているのか。

どろんこクラブ『放課後等デイサービス』なので、
上で引用した通り放課後や夏休み等長期休業日に
生活能力向上のための訓練および社会との交流促進等を
継続的に提供する施設となります。

放課後のひとときもそうですが、土曜など、学校の無い日は
もっと長時間、積極的に外に出て遊んだりもしているそうです。

「要は障害を持つ子どもの面倒を見る施設だろう」とお思いでしょうか。
当初の私の認識も似たようなものでしたが、実際は全く違います。

「NPO法人子どもサポートどろんこクラブ」公式サイトにある説明が非常にわかりやすいです。
(以下緑文字引用)

・児童発達支援/放課後等デイサービス
少人数のグループに選任のスタッフがつき、社会性を育むため、
仲間同士が助け合い、成長していける支援を行います。

「社会性を育むため、仲間同士が助け合い、成長していける」

これです!

その目的は「面倒を見る」こととは全く異なります。
障害を持つ子どもにとり、社会との関わりというものが
どれほどの困難を伴うのかを、私は考えたこともありませんでした。

「こんな大変なことを始めるからには重大なきっかけがあったのだろう」
という漠然とした思いから、どろんこクラブ設立のきっかけについて尋ねた私に

金城さんはこちらが拍子抜けするほどあっさりと

「頼まれて始めました」

今のどろんこクラブがある建物は15年前元々フリースクールで、
障害を持つ子どもに対しての特殊教育対応もしていたのだそうです。

ある時、金城さんがそこで障害を持つ子どもの親御さんから言われたことには

「自分の子はもう小学5年生になる。
 このままでは、子ども同士の付き合いを知らないまま中学生になってしまう」

「何とかしてはくれないか」

障害を持つ子どもは、その度合いにもよりますが
基本的に子どもだけで遊ばせることが出来ません。
常に親が見ていないと何が起こるかわからない。

●例えば自分が発達障害の小学生を持つ母親だと考えてみてください。

日中は学校があるとして、
学校が終わったのちその子はどうなるでしょう?

これが障害の無い子どもなら、放課後テキトーに友達と遊びに行くでも
家に帰ってゲームするでも、あるいは塾があるかもしれませんが、
基本的にはその子どもの自由意志による社会との触れ合いの時間です。

低学年であっても子どもだけで家に帰ってこれますし、
子どもの頃というのは、学校から家に帰るまでの間にさえドラマが色々あります。

皆様にも放課後の思い出が一つくらいあるはずです。
子どもにとっての放課後、子どもたちだけの時間とは、
社会性を養うとともに、代えがたい思い出の生まれる得難いひとときではないかと思います。

それが、障害を持つ子どもの場合、
なかなか「子どもたちだけ」というわけにいきません。
子どもだけにしておけないからです。

学童保育や児童会館と言った、ある意味での『囲い』の中でなら
何とかなるのでは?と思うかもしれませんが、
まず、一般的な学童保育は障害のある子をあまり受け入れてくれません。

そして児童会館の場合……私も小学生のころ児童会館に行ってましたが、
放課後終わってからバスケしに行ったりマンガ読みに行ったりという子どもが
20人も30人も来る一方、スタッフはせいぜい2人とかですから
常に子ども一人ひとりに目を配るというわけにはとても行きません。

親の経済的・精神的な問題ももちろんあります。
共働きであれば放課後迎えに行くのもままならず、
子どもと遊びに行こうにも、ひとたび外に出れば常に見ていなければなりません。
肉体的負担も相当なものでしょう。

結果、障害を持つ子どもは学校と家を往復するだけになりやすいようです。
遊びたい盛りの時期に、友だちだけで
好きなだけ遊んだりすることが出来ず、常に親といる生活が続く。

これは、裕福であれば何とかなるというような問題ではなく
放課後、障害を持つ子どもが安心して
他の子(障害のあるなし関係なく)や大人たちと社交し、
社会性を育めるような場所が15年前この札幌には無かったのです。

札幌どころではありません。
そもそも、それを可能とする法整備自体が国に無かったのですから。

15年前のそんな状況下……

「何とかしてはくれないか」

金城さんはそう頼まれ、動き始めたのでした。

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(続きは6/23にアップします)

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